仕事内容について
型枠大工とは、鉄筋コンクリートで建物を建造する際に必要となる型枠をその場で組み立て、コンクリートを流し込み、成型していく仕事です。戸建住宅などの木造住宅を作る大工ではなく、スーパーやコンビニといった鉄筋コンクリート造の専門です。型枠といっても、外壁や柱、梁、内壁、床と様々な種類が存在し、大型の建造物を建築する場合は、作業に1年弱かかる場合もあります。
世界的に評価される日本の技術
型枠大工の仕事は、一人前になるのに10年かかるとも言われるほど、非常に精密さを求められます。一般的には垂直精度±3mmが許容範囲と言われており、その精密さこそが強度や出来栄えに大きな影響を与えます。世界的に見ても、日本の型枠大工の精密さはかなりレベルが高いと言われています。そのため、型枠大工は世界に誇れる日本の技術です。
型枠大工の特徴
型枠大工にもそれなりの知識や技術は必要ですが、家を建築する大工さんや宮大工と比べると、覚えなくてはいけないことや身につけなければいけない技量は多くありません。
そのため、自分よりもキャリアがある先輩たちにも努力次第ですぐに追いつくことが可能で、腕の競い合いができることが型枠大工の大きな特徴です。
また、二人で組んで行う仕事も多いため、仲間をつくりやすいのも特徴のひとつです。
型枠大工と大工の違い
大工と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのが木材を用いて釘やカンナを使って木造建築物を建てる仕事かと思います。
これは一般的に木造大工と言われるもので、同じように木材を使うけれど釘を使用せず神社仏閣の補修を行うものを宮大工と言います。
仕事内容だけを見ても型枠大工は型枠の制作や土台となるコンクリート作りがメインで、大工は加工した木材などを使い、組み立てて建造物を作るのでかなり違いがあります。また、木造大工は木造建築、型枠大工はコンクリート建築に携わっています。
型枠大工に向いている人は?
大工さんは一人前になればなるほど単独で行う仕事が多くなりますが、型枠大工の仕事はチームを組んで行わなくてはいけないものが多いため、黙々と一人で作業をするのが苦手な方に向いています。
また、叩き作業をはじめとして、型枠や型枠を支えるための鉄パイプなど、重いものを使用することが多く非、常に体力がいる仕事なので、丈夫な体の持ち主には向いていますし、体を鍛えたい方にもおすすめです。
型枠大工の仕事の流れ
普段歩いていると、目にする鉄筋コンクリート建造物。わたしたちはその基礎であり、重要部分を作り上げる工事をしています。
具体的には型枠を組み上げ、そこにコンクリートを成型する作業になります。
昨今多くの仕事が機械等により自動化されていますが、型枠工事は人の手の重要性が増しているため手に職をつけるにはピッタリな仕事です。
下拵え
建物の設計図に合わせて、
加工場で型枠を作っていきます。
墨出し
現場で建物の柱の位置や壁の位置を出し、墨を打っていきます。建物の高さの基準となるレベルを出します。
型枠の組立
加工した型枠を現場に搬入し、出した墨に合わせて枠を組み立てていきます。組み立てる順番は、現場によって多少異なります。
固め・立て入れ直し
コンクリートを流し込んでも枠が壊れないように、鋼管等で固めていきます。その後、柱、壁の倒れを補強補正するために、サポートとチェーンを使って固定します。
コンクリート打設
コンクリートを型枠に流し込む際、型枠に異常がないかを点検します。打設の終わったところから精度を確認し、悪いところは是正をしていきます。
型枠外し(解体)
型枠の中に流し込んだコンクリートが固まったら、型枠を外していきます。外した型枠は転用しますので、できるだけ傷めないように慎重に取り外していきます。
仕上げの墨出し
型枠を外し終わった後、仕上げの基準となる墨を出します。